
EPISODE 2 〜 ボクスターとの出会い
00年、私は仕事で目黒のポルシェジャパンを訪れました。
その時、ボクスターのカタログを初めていただいたのです。ハードカバー・豪華装丁のカタログは、まるで写真集のように見えました。
「さっすがポルシェ、こんなトコにまでカネかけてるんだぁ〜」と思いつつ価格表も開いてみます。
「えっ・・?」
私の意識では、ポルシェは1,000万円超のクルマでした。買えるのは早瀬電機の御曹司で「ナチス軍」の総統ぐらいだと思ってました。少なくともスポーツ選手か芸能人か水商売系で、一般道でも常に120km以上で走る人種だと思ってました。そう、平たく言えば「雲の上の存在」だったのです。
しかしボクスターの価格は、意外に身近な数字でした。
そこには「これ、無理すりゃ自分、イケるんちゃう?」と、エセ関西弁で呟いている私がいたのです。
一度意識してしまうと、手元のカタログも愛読書に変わるもの。
「う〜ん、流麗としか言いようのないデザインだ・・誰が見てもポルシェ、ってゆーアイデンティティを感じるなぁ」
「写真で見るだけでも、国産車にはない"中身がぎっしり詰まってる感"があるなぁ」
「そっかー、ドイツ車だもんな、ちゃんと安全とかユーティリティとかも考えてるんだぁ」
「スペック、よくわからんけど速いんだろーなぁ」とか(笑)。
でも憧れはただの憧れ。ゴルフワゴンは元気だし今後の人生もいろいろ物入りだし、現実的な一歩は踏み出せずにいました。
後に結婚する際、密かに自分に問い掛けたことがあります。
「独身時代にやり残したこと/悔いはないか?」
その時真っ先に心に浮かんだのは「あ〜、オープン2シータに乗っとくんだったな」ってことでした。
そしてそれは、再び自由になる老後(笑)に取っておくことにしたのです。
時は流れて02年初頭。私は離婚することになりました。
離婚って理由や立場がどーあれ、結局しょっぱくて凹む話が多くなるんです。私は心身ともに疲労困憊していました。
何でもいいから、自分に喝を入れるきっかけが欲しかった。
非日常的な祝祭で、一気に気分転換したかった。
ついでに心配してくれた仲間たちや同僚に「オレはまだ死んじゃいないぜ、皆の愛してくれた、ポジティブで笑える男は健在だぜ!」ってアピールしたかった。幸い何故かカネはある。
その時、私の心に閃いたのは・・ポルシェでした(爆)。
〜続く〜
2002,06.24. さちお